第20回秋華賞回顧~Hペースで炸裂する“Rivermanの女性的な斬れ”

京都11R 秋華賞
◎11.タッチングスピーチ
○10.レッツゴードンキ
▲7.トーセンビクトリー
△18.ミッキークイーン
×1.ココロノアイ
注4.ディアマイダーリン
タッチングスピーチの母リッスンは英GIフィリーズマイル勝ち馬で、その全姉シクウォイアは英愛2000ギニーのヘインリーザナビゲーターを産んでおり、代々の配合も良く、繁殖としての成功は約束されたも同然の世界的名血だ。「母父中距離型」のディープ産駒だから、春は「母父マイラー型」に完成度で見劣ったが、この2連勝の内容は掛け値なしで、特に地面を掴む力が強くなって全くズレずに走っている。今の京都は高速馬場だが血統的にはパワー型の好走が目立つし(土曜もメイショウサムソン産駒が3勝)、この名血がついに本格化してきたとあれば、ここも器とパワーでねじ伏せてしまうだろうという結論で。ミッキークイーン秋華賞よりはエリザベス女王杯で狙いたいストライドだから、ここでは○▲を上位にとった。

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今年の秋華賞は57.4-59.5とノットフォーマルがかなりのHペースで逃げ、直線は外から差し追い込み馬が次々とやってきましたが、それを尻目に内を割ったミッキークイーンオークス馬の貫禄をみせつける勝利

ウオッカミッキークイーンが体現する“Rivermanの女性的な斬れ”について(1)(2)」で書いたように、いかにもRiverman的な斬れ味で東京の追い比べを制したオークス馬、ウオッカが外々を回らされてダイワスカーレットを差せなかったように、内回りではレース運びが難しいんじゃないだろうか…という読みやったのです

実際のところ3~4角では一頭も前を抜いてはおらず、しかし浜中は1角の入りと3角の入りでは内2頭目に馬を寄せていて、全てのコーナーでの距離ロスを最小限にとどめることで、直線まで番手を下げずに回ってこれたのが大きかった

そして最後の200mでようやくストライドが伸びて、そこからRivermanの斬れ味をついに発揮したという勝利で、これは秋華賞男と呼ぶにふさわしい浜中の好プレーやったと思います

以下「重賞の見どころ」より再掲

ミッキークイーン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104870/
母ミュージカルウェイはドラール賞(仏G2・芝1950m)勝ち馬で、その父Gold Awayはミュゲ賞(仏G2・芝1600m)などに勝ったマイラー。Gold AwayはGoldikova(BCマイル3連覇の欧年度代表馬の名牝)と配合パターンが似ていて、種牡馬として女傑Alexander Goldrunを出したように、牝馬Rivermanの斬れ味をよく伝える種牡馬だろう。母父がマイラーで母がNorthern Dancerのクロス(Northern Dancer≒Icecapade4×3)というのは、ディープ牝駒の最も成功しやすい配合形だ。伸びのある体型でしなやかに斬れるので、広いコースのほうが斬れるタイプだろうと書いてきたが、オークスではその本領を十二分に発揮。この外回り向きのストライドを、京都内回りで浜中騎手がどう操るかが焦点といえる。

そしてクイーンズリングは母がRiverman4×3、マキシマムドパリは母母父がHighest Honor(その母父Riverman)で、1~3着馬はみんな母系にRivermanの血を引いており、京都内回りでも持続戦になったことで、“Rivermanの女性的な斬れ”がモノを言う秋華賞になったのかと

クイーンズリングはあまりにも馬が良く見えたので馬券に加えるとコメント欄でフォローしましたが、マキシマムドパリがこの先行馬総崩れのなか3着に粘るとはちょっと驚きで、前走もエイシンハドソンをひと捲りで降しており、斬れだけでなく持続力に秀でたタイプなのかもしれません(叔母のハシッテホシーノタキオン産駒ながらスタミナありました)

しかしTreveGoldikovaショウナンアデラクイーンズリングの血統表をみると、スローのフランス競馬で育まれてきたAnabaaの女性的な斬れって、なかなか日本向きなんやなあ~と思いますね

アンドリエッテは川田が勝負をかけて捲っていきましたが、直線入り口での加速がイマイチで追いかけてきたアスカビレンに前に入られてしまい、そこからまた差し返して4着

この馬は春からずっとこんな競馬ばかりで、なにかこうチグハグになってしまうのは“ハッとする脚”がないからで、だから最後はきてるのになあ…という4着が多い

アースライズは母が英オークス2着で、このスタミナが強いようで、オークスといい秋華賞といい、大一番で持続戦になると掲示板に載っているという渋い馬ですね

レッツゴードンキの岩田は「馬を前に置いて折り合いたい」と言ってましたが、けっきょくカベをつくれずにHペースを追いかけてしまい、こうなるとベストは1800mですから苦しい

アスカビレンは「父中距離×母父スプリンター」の機動力型で絶妙なタイミングで捲ったかに見えましたが、これも1800mベストだけに今日のペースでは最後苦しくなった

今回はもう少し前で運びたいと言っていたタッチングスピーチですが、ペースが速くてここもやっぱり最後方、ただしそれで展開はハマっていたはず

惜しむらくは3~4角で外に振られてしまったことで、あの振られ方は皐月賞サトノクラウン(ドゥラメンテにぶつけられるその前ね)と似たものがありましたが、でもゴール前の脚色は良かったし、次巻き返しを期待したいです

ウオッカミッキークイーンが体現する“Rivermanの女性的な斬れ”について
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/92aac231c91bda42fd1e1b140ceb8166