第54回スプリンターズS回顧~最強1400馬、急かさない差しでここも大爆発

中山11R スプリンターズS
◎16.アウィルアウェイ
○10.グランアレグリア
▲2.モズスーパーフレア
△6.ライトオンキュー
△7.ミスターメロディ
×9.ダイアトニック
注13.レッドアンシェル
注14.エイティーンガール
土曜の中山芝は内枠と逃げ馬が壊滅状態で、外差しというか外捲りがよく決まっていた。しかも先週ほどではないか時計のかかる馬場。となるとパワー兼備グランアレグリアが差し届く絵が描きやすいが、この馬はスティンガーを強靭にしたイメージで1400ベストで、1200だとレッドファルクスストレイトガールが差し切ったような後傾ラップが向くイメージだ。パンプアップ顕著なモズスーパーが昨年以上の前傾ラップでビュンビュン逃げたら、それでも高松宮のように弾けるかどうか。
難しいが◎はアウィルアウェイ。あんまり感心しないG1予想だが、この人気なら3着でもOKという本命で。父系も母系も晩成型だけにここへきて馬体の充実が顕著だし、今週の追い切りの動きも目立った。さすがに大外枠はどうかとも思うが、土曜の勝浦特別は大外16番からジャスタウェイ産駒グッドマックスが差し切っている。

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今秋の中山芝は初日から時計がかかっていて(シャッタリングの時期がお盆明けで遅かった影響らしい)、しかも4角から直線にかけて内4~5頭ぶんぐらいが荒れてきて、そこを走った馬は最後失速というシーンが多かった

パンプアップが目立つモズスーパーフレアが昨年以上の前傾ラップで逃げまくるのならば、繋ぎが短く荒れ馬場や道悪も巧いグランアレグリアが差し届くシーンがまず描きやすいですよね

ただしこの馬はディープ産駒ですからいわゆる「1/4サンデー」で、馬体や走りをみても最強の1400馬というイメージで、“フィジカルなスティンガー”というイメージで評してきました

となると、ピュアスプリンターではないので高速決着にならないのはプラスでも、モズの前傾ラップを追いかけたら高松宮のような脚(グランのラップは35.6-33.1)は使えないかもしれない…というところで◎は打ちきれなかったですね私は

ゲート入りに手こずってるうちにテンパってしまったビアンフェがモズスーパーフレアと競る形になってしまい、レースラップは前後半32.8-35.5、馬場を考慮すると昨年(32.8-34.3)よりも更に前傾で流れました

「グランアレグリアの強さは素晴らしいです。スタートはゆっくりで、1200mのリズムを見つけられず、後ろの位置になりました。心配しましたが、パニックになることなく、直線は凄く良い脚で伸びてくれました。ペースが速かったので、前の馬は止まりましたが、この馬はゴールまで、速い脚を使ってくれました」(ルメール騎手/ラジオNIKKEI)

「グランアレグリアの暫定版個別ラップは12.9-10.8-11.1-11.4-11.1-11.0。ルメール騎手が落ち着いて深追いしなかったのがポイントだが、高松宮記念より遥かにパフォーマンスが高い。アーモンドアイを打ち破った延長線上でのレースだ」「いわゆるミオスタチン遺伝子がCC型ではないタイプというか、ガチンコのスプリンターではないタイプの馬は、1F10秒半ばとか、それ以上にスピードを上げた際の、余力消耗量が大きいんだろうと思う。道中必要以上に踏み込ませなかった点は大きい」(Mahmoudツイート)

ようするに「1200mのリズムを見つけられず、後ろの位置になった」が「落ち着いて深追いしなかった」ために、34.7-33.6という後傾ラップで、1400馬としての性能と脚力でバキューンと差し切ってしまった

平場のダ1200戦なんかで、1人気のルメールが後方でなかなか仕掛けず、ジワッと追い出すも届かず3着…ってなシーンは毎週のように目にしますが(^ ^;)、そんなルメールならではの急かさない差しが、今回のグランアレグリアにはちょうどハマったといえるでしょう

ロードカナロアデュランダルストレイトガールのように、高性能の1400馬が1200と1600の両方のG1を勝った前例はあるのですが、それにしても両方でこんなに圧倒的な勝ち方をしたのはグランアレグリアだけで、ロードカナロアStorm Catの偉大さを実感できた我々は、グランアレグリアで北米リーディングサイアーTapitの凄みをついに体感することができたのです

ダノンスマッシュは出遅れましたが、隣がモズスーパーですから直後を追いかけてリカバリできたし、3~4角では外に持ち出せて比較的スムーズには運べました

前の組には厳しいペースですから立派な2着でしたが、これで最後パワーでもうひと踏ん張りするのがチャンピオンスプリンターやと思うので、やっぱりカナロアのスプリンターってのは、一流の中距離馬を出せるほどのしなやかさを伝える種牡馬だけにスプリンターにしてはちょっとしなやかすぎる

パドックではアウィルアウェイが一番良いとコメントしておきましたが、ジャスタウェイの娘でトキオリアリティーの孫娘ですから、4歳秋にとうとう本格化を迎えるのが当然の血統で、展開もハマったのでグランに次ぐ上がり2位の追い込みでした

右手前でばかり走りたがるミスターメロディが荒れたインをあえて狙うというのは、なるほどダート血統だけに一か八かの手で、コーナリングでダノンスマッシュを抜いて直線先頭に躍り出たときは声が出ましたが、右回りだと直線も右手前のまま走ってしまうので、昨年同様ゴール前は失速してしまいました

1~3着馬については、例によってNETKEIBAの全頭血統解説より再掲します

グランアレグリア
マリスターと同牝系で、母タピッツフライは芝8Fの北米G1を2勝。母父Tapitは北米リーディングサイアーラニやラビットランの父。ディープ×Tapitはアルーシャと同じで体質はしなやか、しかし繋ぎは短く爪は小さく高速馬場も渋った馬場もOK。古くはデュランダル、最近ではストレイトガールと似て、ベスト距離は1400だが高性能で1200でも1600でもG1級という馬だろう。1200だと渋ったほうが差しやすいか。(距離○スピード◎底力◎コース○)



ダノンスマッシュ
母母Hollywood Wildcatは北米G1を3勝しBCマイルのWar Chantを産んだ。カナロア産駒で母系にRobertoとDanzigが入るのはファンタジストと同じ。母はRoberto4×3で、自身はミスプロ4×4。全体に父母のパワーの血を増幅した配合ではあるが、カナロア産駒だからしなやかさもありゴリゴリのパワースプリンターではない。1200だとセントウルのようなラップ(33.8-34.1)で好位差しが理想か。(距離○スピード◎底力○コース◎)



アウィルアウェイ
名繁殖トキオリアリティーの孫で、インディチャンプの3/4妹で、リアルインパクトネオリアリズムアイルラヴァゲインの姪で、アンフィトリテやアペルトゥーラのイトコ。この牝系の牝は1400m以下[17-8-10-57]1600m以上[0-0-2-23]と短距離向きで、本馬もジャスタウェイの娘だがスプリンターに完成した。Hyperion的な持続力で差すので高速決着は辛いが、馬場が悪すぎるのも辛い。もう少し行けるといいのだが…。(距離○スピード○底力◎コース○)