第46回高松宮記念回顧~出るべくして

中京11R 高松宮記念
◎4.ビッグアーサー
○8.アルビアーノ
ビッグアーサーは母シヤボナがキングマンボ産駒でヌレイエフ≒サドラーズウェルズの3/4同血クロス3×2。サクラバクシンオー産駒としてもなかなか奥のある配合をしている。ただ父よりもパワー型で軽快なスピードでは見劣るので、高速馬場で時計や上がりが速いとまとめて差し切るまではいかない。昨年は高松宮記念と同日の岡崎特別を遜色ない時計で圧勝。土曜の中京芝は岡崎特別でレコードが出たようにBコース替りで高速化しているが、それでも急坂コースでHペースならばインから差せるとみる。アルビアーノはコートリーディーにさかのぼる名牝系で母系の質は最高だし、スワンS完勝を見てのとおり性能も高い。ロードカナロアに似たタイプでベストは1400とみているが、前走は直線の不利が大きかったし、1200のペースにも慣れが見込めるとなればルメールが同じ轍を踏むことはないだろう。ミッキーアイルは配合も能力も◎○にヒケをとらないが、スプリンターではないし同型が多いので単勝まではない、という結論で。

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1~3着馬の血統解説については、NETKEIBA「重賞の見どころ」より再掲します(アルビアーノオーシャンS時のものです)

ビッグアーサー
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103328/
3代母ReloyはサンタバーバラH(米G1・芝10F)とサンタアナH(米G1・芝9F)に勝った活躍馬で、その母Rescousseは仏オークスに勝ち凱旋門賞2着。母シヤボナはエルコンドルパサーと同じくKingmambo産駒でNureyev≒Sadler's Wellsの3/4同血クロス3×2を持つ。サクラバクシンオー産駒としてもなかなか奥のある配合だが、父よりもパワー型で軽快なスピードでは見劣るので、高速馬場で時計や上がりが速いとまとめて差し切るまではいかない。昨年は高松宮記念と同日の岡崎特別を遜色ない時計で圧勝しており、今の中京芝はタフな馬場なので、良馬場でも高速決着にはならないだろうから差し込める余地はある。

ミッキーアイル
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103916/
ハーツクライなどが出るMy Bupersにさかのぼる名牝系で、母母アイルドフランスはミネルヴ賞(仏G3・芝2500m)勝ち馬。3代母ステラマドリッドは北米G1を4勝。母父ロックオブジブラルタルデインヒルの代表産駒で欧州芝1600mの大レースを勝ちまくった。「母父がマイラーで、母がNorthern Dancerのクロス」というディープ産駒として最も成功しやすい配合形で、父のしなやかさと母のパワーが絶妙に噛み合った好マイラー。燃えやすい気性で1200mでもうなりながら先行するが、典型的なスプリンターではないので、1200mのGIだと好位から差してもワンパンチ足りない感も。

アルビアーノ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012110102/
父Harlan's HolidayはドンH(米G1・ダ9F)などの勝ち馬で、関東オークスエスメラルディーナの父として知られる。母母Auroraの産駒にArchやアコマなどの北米G1勝ち馬がおり、3代母Altheaの産駒にヤマニンパラダイス、近親にもGreen Desertワンアンドオンリーなど活躍馬が続出する現代屈指の名門牝系。Storm CatMr.ProspectorDanzigが強いマイラー体型だが、体質は柔らかく北米血統のパワー型というイメージでもない。スワンS快勝をみるとベストは1400mだろうが、1200mでも性能の高さで抜け出してしまうかもしれない。良馬場がベターだろう。

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ミッキーアイルはこの世代のディープインパクト産駒で最高の配合だと書いてきたし(POGでもイチオシ)、配合も実馬も大好きなのですが、ほぼ完成に近づいてきた今でもスプリンターにしてはちょっと体質がしなやかすぎる感はあります

日本でもドバイでも香港でも、芝中距離では「1/4サンデーサイレンス」が大活躍する今日この頃ですが、一方で短距離~マイル路線は「1/8以下サンデーサイレンス」の時代に突入したと書いてきました(モーリスは「1/8サンデー」、ロードカナロアは非サンデー)

その観点からも、ここはビッグアーサーアルビアーノか、非サンデーの好配合2頭のどちらから入るか、今週になって芝コースが驚くほど高速化したこともあり、前日予想の締め切りギリギリまで◎は迷ってました

一つ大きな違いは、全米が号泣する名血名牝系のアルビアーノは仮にここでビリでも、この先大きなタイトルと無縁でも、牧場に帰れば宝物のように大事に大事にされて、ディープインパクトをはじめサンデーサイレンス系の有力種牡馬と交配されることでしょう

しかしビッグアーサー種牡馬入りの道を切り開くためには、言われているように幼時の怪我の影響で左回りのほうが得意だとすればなおのこと、今年か来年の高松宮を勝つしかない

最後はそんな心情的なところで◎を決めてしまったようなもんで、だから馬券も大人しくワイドにポンと入れて観てましたが、直線は久しぶりに「交わせえええっ!勝てえええっ!種牡馬になれえええっ!」と大きな声が出ました(・∀・)

去年の夏やったかな、『サラブレ』の特集で「10年後のリーディングサイアー10位までを予想する」という企画があって、そこで「エピファネイアサトノクラウンビッグアーサーは、ディープインパクト牝馬ともキングカメハメハ牝馬とも合うので種牡馬としての可能性はかなり高い」と書きました

そのあたりについては下記エントリ「出るべくして」も読んでいただきたいですが、父がサクラバクシンオー、母がKingmamboの娘でNureyev≒Sadler's Wells3×2、そしてサンデーサイレンスの血を全く引かない

“ナスペリオンの王様”ドゥラメンテが頂点に君臨する今、テスコボーイにさかのぼる父系に、最高のラインと最高のクロスを通じてSepcialの血を取り込み、ナスペリオン的斬れで短距離界の頂点にのぼりつめたビッグアーサーの出現は、まさに「出るべくして」と言うべきものでしょう

勝利騎手インタビューでは「昨夜は落ち込んでました」と笑わせた祐一ですが、好発を決めて逃げ馬3頭の後ろでうなりながら追走しているのを見たときに勝ちを半ば確信、実にバクシンオーの息子らしい勝ち方で、スプリンターらしい勝ち方で、ビッグアーサーの魅力を存分に引き出してくれた鞍上にも心から拍手を送りたい

昨年のスプリンターズは34.1-34.0と1200のG1としては信じられないほどのドスロー中だるみになり、ストレイトガールサクラゴスペルウキヨノカゼミッキーアイル、ウリウリと「1/4サンデー」が掲示板を独占

今回は32.7-34.0のスプリント戦らしい前傾ラップになり、出走していた「1/4サンデー」6頭のうち掲示板に載ったのはミッキーアイルだけでした
(他の重賞については、週明けに「雑感」で)

出るべくして
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/c636eadf91412bb13719c0aa2a8975e5